広島市が8・6平和宣言骨子発表
'98/8/3
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核使用禁止条約締結を 「平和首都」目指す
広島市は三日、平岡敬市長が六日の原爆死没者慰霊式・平和祈念 式で読み上げる平和宣言の骨子を発表した。インド、パキスタンが 相次ぎ核実験を強行し、核兵器使用と拡散の危機が高まる中、平岡 敬市長は世界各国に核兵器使用禁止条約の締結を呼び掛ける。
宣言では、五月に相次いで強行された印パの核実験について「核 軍備競争の連鎖反応を誘発する」と懸念を表明。一方で、「核保有 五カ国が核軍縮に誠実に取り組んでいない現実がある」と指摘し、 核保有国の指導者に核兵器廃絶に取り組む努力を強く求めていく。
廃絶への一段階として、世界各国に「核兵器使用禁止条約の締結 交渉を直ちに始めるべきだ」と提起。すべての核保有国に核兵器廃 絶への実効ある行動開始を要請するよう日本政府に求める。
また、国民一人ひとりが、核兵器廃絶に頼らない安全保障の方策 を真剣に考えるように求める。世界の核被害者を含め、国家を超え た都市、市民の連帯によるネットワークによって国際政治を動かし ていく必要性を強調する。
二十一世紀に向けたヒロシマの役割では、広島平和研究所の設立 などによって、国際社会の未来を切り開くために「平和首都」を目 指す決意を表明。原爆死没者に哀悼の意を表す。
【写真説明】平岡広島市長
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