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「核廃絶」NYに響く
広島の被爆者ら4万人行進

 【ニューヨーク1日宮崎智三】核拡散防止条約(NPT)再検討会議の開幕を二日に控えたニューヨークで一日、核兵器廃絶と戦争反対を訴えるパレードと集会があった。被爆者をはじめとする日本からの約千人を含め、主催者発表で約四万人が参加。「ノーモア・ヒロシマ、ナガサキ」の叫びをマンハッタンの高層ビル街に響かせた。

 前日の雨が上がって青空が広がる中、パレードは国連本部北側を出発。日本被団協の坪井直代表委員(79)や秋葉忠利広島市長、伊藤一長長崎市長を先頭に、日曜日でにぎわう五番街などを通り、セントラルパークへ。米国市民たちもイラク撤兵など思い思いのスローガンを書いた横断幕や色鮮やかなのぼりなどを持ち寄り、三・二キロを約二時間かけて歩いた。

 セントラルパークでの集会で坪井さんは、被爆体験を証言し大きな拍手を浴びた。秋葉市長は「核兵器は地球を死に至らしめるがん。取り除かなければならない」と廃絶を強く訴えた。

 パレードと集会は、米国の平和団体が再検討会議の開幕に合わせて呼び掛けた。会場では参加者がピースマークの形に人文字をつくり、反戦・反核をアピール。会場わきには、各国の市民が平和のメッセージを書き込んだ小さな木製ブロックが「国際法を守る壁」として積み上げられた。五万六千人が賛同した高さ約一メートルの壁は、長さ約二百二十メートルに達した。

(2005.5.2)