残された人生 反核平和に
廿日市市長が被爆体験証言
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被爆体験を証言する山下市長
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【ニューヨーク3日宮崎智三】山下三郎廿日市市長(75)は三日、ニューヨーク市内で、核拡散防止条約(NPT)再検討会議参加のため各国・地域から集結した約百三十人の市長たちを前に、被爆体験を証言した。現職市長では二人だけの被爆者として「核兵器廃絶に向け、力を合わせて頑張ろう」と呼び掛けた。
平和市長会議(会長・秋葉忠利広島市長)の代表団会議で山下市長は、爆心地から約三キロ離れた学徒動員先の観音(広島市西区)の工場で被爆した体験を「一瞬のうちに美しい広島の街は廃虚と化し、子供や高齢者を含む多くの市民が命を落とした」と振り返り、「私が行動できるのもあとわずか。残された人生を反核平和にささげたい。それが使命」と力を込めた。
さらに、「子どもたちに焼け野原ではなく美しい地球を残し、安心して暮らし続けることができる環境をつくることが務めだ」と汗をふきながら熱弁。盛んな拍手を受けた。
(2005.5.5)