NPT再検討会議TOP

NGO活動 広がるが

NPTウオッチ

 ある非政府組織(NGO)のメンバーが、「冷遇されている」と不満をこぼしていた。

 核拡散防止条約(NPT)再検討会議に合わせ、NGOは国連本部で各種の集会を開いている。だが米中枢同時テロ以降、セキュリティーが厳しくなり、会議室の利用などが制限されるというのだ。

 五年前の前回の再検討会議に比べ、参加するNGOが大幅に増えたことも背景にある。国連事務局によると、登録分だけで前回の二・五倍に上る約千五百人。日本から訪れた約千人は大半が登録していないため、実数はもっと多い。

 なぜ増えたのか―。核軍縮が後退するかもしれないことへの危機感との分析が多い。ピースボートの川崎哲・共同代表はさらに、「NGOが主張や活動をアピールするうえで、こうした場を積極活用できることに気付いた」と説明する。英国の市民活動家として著名なレベッカ・ジョンソンさんのように、政府代表団に与える影響力や政策提案能力など、問われるのはNGO活動の「質」だとの指摘もある。

 ただ、再検討会議自体は、論議がなかなか前に進まない。せっかくのNGOの活動が反映されるのか、不安が募る。(宮崎智三)

(2005.5.18)