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CTBT拒否譲らず
米大使演説 核拡散防止を重視

 【ニューヨーク20日宮崎智三】国連本部で開催中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、米国のサンダース軍縮大使は二十日(現地時間)、包括的核実験禁止条約(CTBT)について「支持せず、締約国になるつもりもない」と米国の立場をあらためて述べた。CTBT早期発効は今回の会議の焦点の一つで、米国のかたくなな姿勢は最終合意に向けた大きな障壁となっている。

 サンダース大使は核軍縮を話し合う第一主要委員会で演説。ロシアとの戦略攻撃兵器削減条約(モスクワ条約)の締結や、東西冷戦終結後に戦略核兵器などを大幅削減した実績を指摘し、核兵器保有国に核軍縮を義務づけているNPT第六条について「義務を果たしている」と主張した。

 強力地中貫通型核をはじめ、ブッシュ政権が「核体制見直し」により小型核兵器の開発を進めているとの批判に対し、大使は「新型核兵器の開発はしていない」と述べる一方、CTBTは「支持しない」とした。さらに北朝鮮やイランを念頭に、核軍縮よりも拡散防止対策を重要視する持論を展開した。

 CTBT早期発効は、前回(二〇〇〇年)の再検討会議で合意された核軍縮措置の一つ。米国は批准を拒否しているが、今回の会議でも日本をはじめ多数の国が早期発効を支持している。

(2005.5.22)