ファンの声結集、次々提言 新球場問題でフォーラム開催
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「宝物」が開いたカープフォーラム。地域を考えるきっかけになった(1月29日、広島市南区)
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「中国新聞・カープALL―IN大賞」(中国新聞社・広島東洋カープ主催)の年間大賞選考委員会(委員長・多田公煕広島県体育協会会長)が十九日、広島市中区の中国新聞ビルであった。球団と新しいファンクラブ構想を練り、新球場問題で広島市に提言を続ける市民グループ「カープと市民球場はみんなの宝物」が年間大賞に、愛くるしさでファンを魅了した球界初のベースボールドッグ「ミッキー」が特別賞に決まった。
同大賞は、カープを通じ地域を考えてもらおうと、今春創設。四月から九月まで毎月、大賞を選び表彰してきた。この日の選考委で、来年度も実施することを確認した。
「宝物」は広島を中心に全国のファン約三十人で構成。度々カープフォーラムを開き、球団には一般向けファンクラブの新設を提言。広島市民球場(中区)に替わる新球場問題では、ファンの視点から声を上げてきた。
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今夏のオールスターゲームに「登板」したミッキー(神宮球場)
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昨シーズンから「登板」するミッキー(ゴールデンレトリバー、九歳)は、ボール入りのカゴをくわえ審判に運ぶ姿で全国区の人気を博し、観客動員に貢献した。
選考委は「宝物」を「地道な活動が球団とファンの間をつなぎ、市民の声が球団や行政に届くことを示した。その功績は特に大きい」と評価。ミッキーを「球場を温かい空気で包み、カープを広く発信した」とねぎらった。十一月二十三日、広島市民球場でのファン感謝デーで表彰される。
「宝物」でファンクラブ構想をまとめた藤田英夫さん(47)=南区=は「球団をより身近に感じることができたうえに、ファンと球団の距離を縮める助けとなれたなら実にうれしい」。ミッキーの飼い主で訓練士の上野智美さん(29)=広島県北広島町=は「ミッキーと頑張ってきたかいがあった。これからも球場の魅力を伝えていきたい」と意気込んでいた。(下山克彦)
(2006.10.20)
熱い一年 赤いきずな−年間大賞表彰式−(2006.11.24)