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・広島県、イノシシ狩猟1カ月延長へ (03.2.15)
・毛がない「白いイノシシ」増加 (03.2.13) |
―広島県が独自の管理計画― ■農業被害減少へ対策強化 広島県内で相次ぐイノシシの農業被害対策として県は新年度から、狩猟期間を一カ月延長して四カ月間とする。狩猟期間外に設ける一斉駆除期間も新たに二カ月増やして計三カ月間に拡大。総捕獲頭数は昨年度実績の約一万頭強からさらに二千頭増やす方針で、農作物被害の減少を目指す。
わなや猟銃によるイノシシの狩猟期間は、環境省が十一月十五日から翌年二月十五日までの三カ月間と定めている。しかし、島しょ部や山間部で深刻な農作物被害が続いているため、県は独自の保護管理計画を策定し、期間延長に踏み切ることにした。 延長は、狩猟期間の前後いずれか一カ月となる見通し。中国地方では島根、鳥取県に続く試みとなる。 狩猟期間外に近隣市町村が連携し、わななどで捕獲する一斉駆除の期間も今の三倍に拡大する。現在は狩猟期間の直後となる二月十六日から一カ月間だが、稲とかんきつ類収穫前の夏季と秋季にそれぞれ一カ月を追加して設定する。 県内のイノシシによる農作物被害は、かんきつ類などの果樹が最も多く、昨年の総被害面積九百十九ヘクタールの約55%を占める五百六ヘクタール。次いで稲の二百五十六ヘクタール、野菜の六十九ヘクタール。総被害額は前年を一億四百万円下回ったが、四億四千八百万円に達している。 一方、イノシシの昨年度の総捕獲頭数は約一万四百頭で、一九二三年の調査開始以来初めて一万頭を超えた。県は捕獲頭数の増加が昨年の農作物の被害減少につながったとみて、今後も捕獲の強化に力を入れる。 県自然環境保全室は「増えすぎた今のイノシシの生息数は、捕獲でバランスを保っている。捕獲増は生態系に悪影響は与えず、農業被害の減少につながる」と説明している。 |