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・イノシシ防除・食材活用探る 島根で11月シンポ ・特集「保護と管理 調和探る」 ・「猪変」トップ |
「イノシシ対象」増える 獣害拡大既に5県 広島・山口も策定へ準備 野生動物との共存に向け、都道府県が策定する「特定鳥獣保護管理計画」で、イノシシを対象獣に選ぶケースが西日本を中心に増えている。鳥取、島根など五県が既に策定。広島や山口など七県も二〇〇六年度までに、捕獲数などイノシシ管理の目標値を計画に盛る。
調べた環境省は「ほかに、東北や中部を含む八府県も構想を温めている」と背景に、獣害の広がりを見て取る。 山陰両県と大分は全国に先駆け、二〇〇一年度にイノシシの保護管理計画を策定。高知、佐賀が続いた。獣害を最小限にとどめるための捕獲目標を、島根は年間一万五千頭、鳥取は年間二千七百頭と決め、目標達成のため両県とも猟期を年間四カ月へ従来より一カ月延ばした。 計画策定の目標年度を切り、準備しているのは七県。広島が猟期に入る今秋までにニホンジカ、ツキノワグマとともに策定をめざすほか、愛媛、福岡、愛知も本年度中を見込む。山口は〇四年度、〇五年度に山梨、〇六年度に兵庫と続く。 同計画は一九九九年の鳥獣保護法改正で創設した制度。種の存続を図る「保護」と人間界とのあつれきを減らす「管理」を視野に、対象鳥獣のモニタリング(測定)で捕獲枠などを設ける。 近畿中国四国農業研究センター・鳥獣害研究室(大田市)の仲谷淳室長は「共有の財産でもある野生動物の生態をつかみ、捕獲効果を検証するモニタリングが、新制度の試金石となる。国の支援も含め、お金と人材のやり繰りに本腰を入れないと、実効性のあるものにならない」と、動向を見守っている。 (2003.5.19) |