比婆荒神神楽
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県内の神楽で唯一、国重要無形民俗文化財に指定されている。庄原市東城町の比婆荒神神楽社が演じ、毎年11月の第3土曜(今年は19日)、同町小奴可の奴可神社である「小神楽」と、民家などで7、9、13、33年ごとに催される「大神楽」がある。てんぐ面を着け、扇や刀を持って舞う演目「猿田彦の舞」が有名で、悪魔を払い、神を導く意味があるという。
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十二神祇神楽
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広島、廿日市市など瀬戸内海沿岸部に伝わる。12演目で構成することから命名されたという。特徴の一つが「世鬼(せき)の舞」。大きな面を着けた鬼「荒平(あらひら)」が持つ若返りや再生をもたらすつえを、問答の末、太夫が取り上げる。県無形民俗文化財の阿刀(あと)神楽(広島市安佐南区)は、毎年10月第2土曜日(今年は15日)、阿刀明神社で奉納される。
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名荷神楽
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わら人形を使った神託舞「三宝荒神宮御縄」を伝承する貴重な神楽として、県無形民俗文化財に指定される。長さ約50センチの人形の顔を赤い紙で覆った後、白い紙で全体を包み、目鼻を描く。頭部に酒を注ぎ、揺れ動かすうちに、紙が赤くにじんでいく模様から、神託を受けたという。毎年4月の第1日曜日、瀬戸田町の名荷神楽保存会が名荷神社で奉納する。
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豊栄神楽
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備後神楽の中で最も特徴的な演目「五行祭」の古い形を保持し、県無形民俗文化財に指定されている。長い「祭文」があり、舞よりも「語り」を中心とした構成になっている。5人兄弟の王子が遺産相続をめぐって争うが、母などに諭されて和解するストーリーで、別名を「王子」とも呼ぶ。東広島市豊栄町の豊栄神楽保存会が、毎年11月ごろに奉納する。
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大元神楽
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芸北地方や島根県邑南町などで盛んな石見神楽のルーツとされる。広島県内では、北広島町小原の大歳神社で7年ごとに奉納され、県無形民俗文化財に指定される。治水や豊作を願い、わらの大縄(長さ約12メートル、直径約20センチ)を水神の竜に見立て、蛇行するように揺り動かす舞が特徴。かつては神懸かり状態に陥り、翌年の作柄や吉兆禍福を占ったという。
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