クモ |
神楽工房「こだま」(千代田町)の児玉敏之さんによると、鬼などが対決の場面で繰り出す妖術を表現した演出。手から出して相手にからめる投げグモ、見せ場で天井部分からすだれ状に垂らす落としグモなどがある。特別な力が込められた剣や弓などで破られる。大半は白だが、赤もある。約5メートルの巻紙を5ミリ前後の幅に切る。年間500本近く使う神楽団もあるという。
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御幣 |
傷ついた者を回復させたり、鬼を退散させたりするなど、絶大な力を発揮する。神の役や、特別な力を授けられた者が持ち、霊力などを示すとされる。稲穂にもよく例えられ、苦労して育てたコメがこぼれ落ちないよう、御幣の下に扇をあてがって舞う姿が目立つ。1回の舞で傷みも激しいため、上演ごとに新しく作り替えるケースが多いという。
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鈴 |
振るわせると、澄んだ音色が響き渡る。鬼を追い払う場面などで使われる。形は、小さな鈴を上段から3個、5個、7個と3段に並べたのが一般的、という。楽器の一つでもあり、はやしを補う役目もある。みこが持って舞うケースが多く、赤や黄など5色の布を付けた物もある。神社のさい銭箱の前で鳴らす鈴の起源とも言われている。
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ザイ |
「鬼に金棒」ということわざの通り、鬼が武器として使う棒。鬼棒(おにぼう)や鬼神(きじん)棒、鉄杖(てつじょう)とも呼ばれる。天を指したり、床にたたき付けたり、ぐるぐると回したりする。1メートル前後の棒に、白い半紙などで作る切り飾りを付ける。中央部分に1カ所、または両端など。神楽団によって形や大きさは異なる。
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茅(ち)の輪 |
罪や災いなどをはらうとされる輪。腰に着けて疫病を防いだという「備後国風土記」の故事に基づく。「鍾馗(しょうき)」という演目で使われるのが有名で、姿がない鬼(疫病)をとらえる役目を果たすとされる。直径は約60センチ。かやや稲わらなどで作っていたが、最近は白や赤などの半紙が多い。各地の神社で初夏に催される神事「輪くぐり」の起源と伝えられる。
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