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エノラ・ゲイ一般公開 広島市長、原爆被害の説明を要請 '03/10/17

 広島市は十六日、英国出張中の秋葉忠利市長名で、広島に原爆を投下したエノラ・ゲイを復元展示する米国のスミソニアン航空宇宙博物館に要請文を送り、原爆被害の説明を加えるよう求めた。

 エノラ・ゲイは十二月十五日、ワシントン郊外に開設される同博物館新館で一般公開される。ジョン・デイリー館長にあてた要請文では、展示が科学技術の進歩を示すだけだったり、原爆の威力や原爆投下の正当性を誇示したりする内容となれば「極めて遺憾」と表明した。

 そのうえで、核兵器使用の悲惨さや、核戦争が起きれば人類は破滅の危機に瀕(ひん)する事実を伝え、核兵器を廃絶して戦争のない世界を創造するうえで、意義がある展示とするよう求めている。

 一九九五年に同博物館が計画した原爆展が、米国内の退役軍人たちの反発で事実上中止に追い込まれた経緯にも触れ、その後、広島市が核保有国を中心に原爆展を開き、核兵器の非人道性を訴え続けていることを説明している。



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