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エノラ・ゲイ一般公開 被爆者ら派遣し抗議 '03/10/18

 ■広島県原水禁 平和集会で証言も

 広島への原爆投下機エノラ・ゲイが完全復元され、米ワシントン郊外のスミソニアン航空宇宙博物館新館で十二月十五日から一般公開されるのに対し、広島県原水禁は被爆者と被爆二世を現地に派遣する。博物館側に抗議するほか、会場周辺での平和集会に参加して原爆被害の実情を訴える。

 渡米するのは、県被団協(藤川一人理事長)の坪井直事務局長(78)と被爆二世、通訳の計三人。十二月十一日に出発し、博物館のジョン・デイリー館長に、被爆の実相を伝える展示にするよう文書で申し入れる。

 さらに、ワシントン近郊での平和集会に参加。被爆体験を証言したり、被爆直後の写真パネルを展示したりして、小型核兵器の開発に意欲を見せるブッシュ政権の核政策に抗議する。米国の平和団体「ピース・アクション」が受け入れ、十八日に帰国する。

 坪井事務局長は「被爆者にとって、エノラ・ゲイは忌まわしい記憶そのもの。戦争や原爆投下を正当化する展示ならすぐにやめてほしい。米国の核政策が間違っていることを訴えたい」と話している。

 エノラ・ゲイの復元展示に対しては、広島市の秋葉忠利市長も十六日、原爆被害の説明を加えるよう求める要請文を、同博物館に送った。日本被団協なども抗議団派遣に動いている。



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