中国新聞社
 広島への原爆投下から65年。被爆地ヒロシマはきょう、祈りの日を迎えた。午前8時から始まる原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)には、ルース駐日米大使が出席する。大使は「核なき世界」を掲げるオバマ米大統領に直接助言できる人物という。米大使の式典初出席は核軍縮機運を高める上で、国際社会に重要なメッセージを送りそうだ。
 式典には国連の潘基文事務総長も参列する。潘事務総長はインタビューで、「少なくとも被爆者の一部が生存中に核兵器廃絶を目撃できる」ように目標期限を区切り、一日も早い「核兵器なき世界」を実現するのが、国連事務総長や世界の指導者の「政治的、道徳的責任だ」と指摘している。
 「安らかに眠って下さい…」。原爆慰霊碑には未明から遺族たちの祈りが続いている。非業の死を遂げた肉親らの冥福と、一刻も早い核なき世界平和の実現を願いながら…。
Pick up
<上>被爆65年のヒロシマ。国連事務総長として初めて潘氏が参列、花を手向けるなど核軍縮機運の盛り上がりを象徴した
<下>平和記念式典に初めて参列し、参加者とあいさつするルース米大使(8月7日)