中国新聞社
2011ヒロシマ
'11/7/23
平和宣言にNPTの国際会議誘致明記 広島市長方針

 広島市の松井一実市長は22日、原爆の日の8月6日に初めて読み上げる平和宣言で、2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議などを念頭に、各国のリーダーが集まる国際会議を誘致する方針を盛り込む考えを示した。中国新聞のインタビューに応じた。

 松井市長は、NPT体制について討議する国際会議に関し「(どこまで宣言に)具体的に書くのがいいかは分からないが、各国の関係者に集まってもらい、広島で理解してもらえるようにするとの内容を入れた方がいい」と述べた。

 また松井市長は、「黒い雨」の指定地域拡大など、被爆者援護を充実するよう国に要請することを宣言に明記する方針も示した。「しっかりやってもらいたいというのが市の立場だ」と強調した。

 松井市長は8日の記者会見で、被爆70年に開かれる次回NPT再検討会議の広島誘致に取り組む意向を表明。「核兵器廃絶に向けて各国首脳に被爆の悲惨さを見てもらいたい」と意義を強調した。

 市長は、4月の就任時から「迎える平和」を掲げており、その具体的実践として、国内外に発信する平和宣言に明記する必要があると判断した。(野田華奈子)

 クリック<核拡散防止条約(NPT)>

 核軍縮と核不拡散、原子力の平和利用を柱とする多国間条約で1970年に発効、95年に無期限延長された。核保有国を米国、ロシア、英国、フランス、中国に限定し、核軍縮交渉の義務を課す。一方で核保有国のインド、パキスタン、事実上の保有国のイスラエルは未加盟。北朝鮮は2003年に脱退を宣言した。


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