中国新聞社
2011ヒロシマ
'11/8/2
<時代映す平和宣言5>起草委で議論、市長が仕上げ 長崎

 もう一つの被爆地の長崎市では、8月9日の平和祈念式典で読み上げる平和宣言は市長や被爆者、有識者たちによる起草委員会の議論をベースに練り上げる。最後は市長自らが手を入れ、完成させる。広島市が今年実施したような被爆体験の募集はしていない。

 今年の起草委は、委員長の田上富久市長をはじめ、被爆者団体代表や大学教授、報道関係者たち18人で構成。福島第1原発事故を受け原発の是非をどのように盛り込むかが議論の焦点となった。

 同市によると、5〜7月に3回開いた会合では委員から原子力に依存したエネルギー政策からの脱却の記述を求める声が相次いだ。

 最終的に田上市長が7月28日に発表した平和宣言の骨子には、核兵器廃絶や被爆者援護の充実に加え、原発事故による放射線被害への強い危惧が盛り込まれた。原子力に代わる再生可能エネルギー開発の必要性も強調している。ただ、「脱原発」など原発の是非には踏み込まなかった。


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