中国新聞社
2011ヒロシマ
'11/8/2
<時代映す平和宣言6>体験公募を評価/政府への姿勢に注文 被爆者や選定委員

 平和宣言の策定に向け被爆体験を公募するなどした松井市長の手法に対しては評価する声が多い。一方で原発問題や核兵器保有国、日本政府へのスタンスには注文も出ている。

 体験談に応募した広島県府中町の平井昭三さん(82)は、採用はされなかったが「被爆者の生の声を世界に届けようとする姿勢はうれしい」と歓迎。体験談の選定委員会委員で被爆者の池田精子さん(78)は「分かりやすい言葉を選び、誰もが理解しやすい宣言になりそう」と受け止める。その上で「原発問題では被爆地の市長として明確な意思表示をしたほうがいい」と話す。

 同じく委員の核戦争防止国際医師会議(IPPNW)日本支部長の碓井静照さん(74)は「原爆を落とした米国にはもう少し批判的でよかった。今後も注文していく」とする。

 中国新聞の「わたしの平和宣言」に意見を応募し、掲載された広島経済大3年の中川さやかさん(21)=安佐北区=は「ホームページで市民が意見をやりとりできるようにすれば若者も参加しやすい」と提案した。

 同じく主婦平田周那さん(63)=北広島町=は「平和宣言をみんなでつくるのもいいが、最後は自分の責任でどっしりと市民や世界に語り掛けてほしい」と求めている。


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