印パが新たな核実験の恐れ ミサイル増強と米科学者

'00/5/17
中国新聞
スポットニュース

16日、国連本部での会見でパキスタン・カフタのウラン濃縮施設の衛星写真を示すFASのブラウン研究員(共同)

 【ニューヨーク16日共同】米国科学者連盟(FAS)は国連本部で十六日、米商業衛星イコノスが撮影したインド、パキスタンの核、ミサイル施設の写真の分析結果を発表、両国とも着実に核ミサイル軍備を増強しつつあり、包括的核実験禁止条約(CTBT)署名前に新たな核実験を実施する可能性があるとの見解を明らかにした。

 イスラマバードの南東約五十キロにあるカフタのウラン濃縮施設は一九九○年に比べて数倍の規模になり、その北西には広大な敷地が出現。FASで衛星写真分析を専門としているティム・ブラウン研究員は「中距離弾道ミサイル『ガウリ』の開発・発射実験場であることは間違いない」と指摘した。

 さらにインド南部のハイデラバード防衛研究施設では中距離弾道ミサイル「アグニ2」と地対地ミサイル「プリトビ」の開発を行っているとみられ、最近、倉庫を増やしてロケット推進のための燃料などを格納している可能性が強いと指摘した。

 FASは一九四五年、原爆製造のマンハッタン計画に加わったことを後悔した科学者が核廃絶を訴えて創設した団体。

【写真説明】16日、国連本部での会見でパキスタン・カフタのウラン濃縮施設の衛星写真を示すFASのブラウン研究員(共同)


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