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平和式典参列 イランのハテリ医師に聞く '04/8/7

 ▼毒ガス被害 世界に発信 若者の交流 充実を

 イラン・イラク戦争(一九八〇―八八年)の毒ガス被害者五人を含むイラン人八人が六日、平和記念式典に参列した。広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)第一陣のイランでの交流がきっかけで実現した被爆地への訪問。一行の派遣に尽力したイラン化学兵器被害者支援協会の国際関係担当で、団長を務めるシャリアール・ハテリ医師(34)に、式典の感想や今後の広島との交流について聞いた。(岡田浩一)

 ―式典の印象は。

 海外からの出席者が多かった。8・6は世界中が注目している日だと再認識した。イランの毒ガス被害は、いまだに四万人余が呼吸困難や皮膚障害、がんなどの後遺症に苦しんでいるが、国内ですらまだ知られていない。広島との交流を通して、私たちの現状も世界に伝えていきたい。

 ―毒ガス被害はなぜ隠されてきたのでしょう。

 化学兵器をイラクに持ち込んだのは西欧諸国だった。国際社会に強い影響力を持つ西欧諸国が被害を伝えることを拒んだ。イラン国内で非政府組織(NGO)活動が盛んになったのはここ数年だという事情もある。

 ―広島市長の平和宣言に関心を示していましたね。

 これまで日本は米国に文句をあまり言わないと思っていたが、平和宣言で核兵器開発などに意欲をみせる米国の自己中心主義を批判したのは高く評価したい。今後は核兵器や化学兵器を保有していながら、国際社会から追及されないイスラエルの姿勢についても問うてほしい。

 ―イランは核開発疑惑について、国際社会から厳しい批判にさらされています。

 現段階では平和利用の一環だろう。しかし、開発が軍事目的に向かえばNGOとして反対していく。もちろん、そうした活動が難しい国内事情だが、内外の市民と手を結べば力を得られる。

 ―平和ミッションの訪問のイランへの影響はありましたか。

 六月の化学兵器禁止の記念日に、テヘラン市内で毒ガス後遺症の治療を考える学術会議を開いた。会場の一角にミッション参加者から贈られた被爆の資料写真を展示した。医師や大学教授らは「惨状に衝撃を受けた」と異口同音に語っていた。

 ―今後、広島とどのような交流を望みますか。

 毒ガス被害の資料写真を展示する機会をつくってほしい。若者同士の交流も深めたい。イラン・イラク戦争中に被害を受けた乳児は青年になっている。長年の後遺症との闘いで、ふさぎがちな性格が目立つ。広島の活発な若者との出会いを通して、イランの若者に希望を持たせたい。

 ―八日までの滞在中に取り組みたいことは。

 被爆の事実を伝える絵本の読み聞かせや、被爆者の証言活動など、広島の体験継承のノウハウを学びたい。

 <プロフィル>97年にテヘラン市内にある国立大医学部を卒業。同市内などの病院で化学兵器被害者の治療に専念。2002年に医師や教育関係者、被害者らと化学兵器被害者支援協会を設立した。会員は約100人。

【写真説明】シャリアール・ハテリ医師


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