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■特集 スペイン編 ゲルニカとヒロシマ
不戦 小さな町から世界へ '04/10/17

 もがき苦しむ牛、逆立つ馬のたてがみ、天を仰ぎ悲痛に顔をゆがめる女性―。一九三七年、スペイン内戦に伴うナチス・ドイツ軍による空からの民間人無差別殺りくに多くの人々が憤怒し、パブロ・ピカソ(一八八一―一九七三年)は大作「ゲルニカ」を描いて抗議した。

 広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)の第三陣メンバーは、その悲劇の現場となったゲルニカを訪ね、空襲の生存者や平和博物館関係者らと語り合った。

 イラク戦争直前の二〇〇三年二月。ニューヨークの国連本部でコリン・パウエル米国務長官がイラクの大量破壊兵器保有について演説した際、背後にあった「ゲルニカ」の複製画が、カーテンなどで覆い隠され、話題となった。「イラクに何倍ものゲルニカが再現される」。そんな想像をされるのは好ましくないと考えた人物が、気を回したのだとメディアは伝えた。

 空からの爆撃に慣れ、反応が鈍ってしまった世界に、「ゲルニカ」は今も警鐘を鳴らし続ける。

 そして、メンバーとともに歩いた山あいの小さな町もまた、スペインが生んだ巨匠ピカソの精神を引き継ぐように、世界に不戦・平和思想を広めようと地道な取り組みをしていた。(文・森田裕美 写真・田中慎二)


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