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■特集 ロシア編 汚された大地
核廃棄物 消えぬ不安 病運ぶ川故郷失った '04/12/9

 川は死んでしまった。

 土も汚れてしまった。

 ウラル山脈南東の山河は吹雪の中に暗く沈んでいた。

 広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)の第四陣一行は、半世紀余にわたって放射能汚染にさらされてきたチェリャビンスク州のテチャ川流域を歩いた。一九四八年の操業時から数年間、上流のマヤーク核施設から垂れ流されたプルトニウムやセシウムなどの高レベル放射性廃液による汚染は、今も消えることがない。

 澄みきった水をたたえる川は見た目の美しさとは裏腹に、「病を運ぶ」と土地の古老はいう。釣り上げた魚に歓声を上げる少年たちの姿は、もう河原には戻らない。

 核廃棄物貯蔵タンクの爆発事故(五七年)など、度重なる事故による放射能汚染で、周辺に住んでいた多くの人々が理由も知らされず故郷を後にせざるを得なかった。

 核兵器開発で傷つき、核軍縮などに伴う「核のごみ」まで押し付けられるシベリアの大地。ひょう混じりの強い風の音は、まるで大地の泣き声のようにも聞こえた。(文・岡田浩一 写真・野地俊治)


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