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■特集 ウクライナ編 チェルノブイリの傷跡
汚れた大地 帰れぬ町 '05/1/13

 北半球に大量の「死の灰」を降り注いだ史上最悪のチェルノブイリ原発事故から、間もなく十九年がたつ。広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)の第四陣一行は、昨年十月にウクライナの原発周辺を訪ね、被災者とも交流した。

 一九八六年四月二十六日未明、炉心溶融による爆発を起こした4号機。放射能を封じ込める通称「石棺」は風雨にさらされ、壁面にさびが浮くなど老朽化が目立った。

 原発と隣接するプリピャチ市。人口約五万人を擁した街に今は人影はなく、静寂が支配していた。ミッションメンバー四人は、荒廃した街の中心に立ち、見えない放射能汚染の恐ろしさを肌で感じた。

 キエフへ帰る途中の検問所で、メンバーの乗るマイクロバスの汚染が判明。温水で車体を洗う除染作業を受けた。

 プリピャチの元住民たちでつくる互助団体「ゼムリャキ」の人たちにもキエフで会った。被曝(ひばく)の後遺症や生活苦と今も闘う。涙の証言の後に浮かぶ笑顔が唯一の救い。「核の平和利用」の傷跡は、人間の懸命な努力をも寄せ付けぬほど、今も深く残っていた。(文・岡田浩一 写真・野地俊治)


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