中国新聞


スーパーなど食育に力
中国地方 絵本製作や出前授業


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<上>高校生にアジのさばき方を教える「ゆあーず『食』未来研究所」のメンバー=左端(広島県海田町)
<下>フレッシュセブンが発行する「たべものがたり」

 地場スーパーなどで食育に力を入れる動きが相次いでいる。フレスタ(広島市西区)は子会社が食材の産地などを学ぶ冊子を製作。ユアーズ(広島県海田町)の従業員はNPO法人を設け、学校への「出前授業」を始めた。食の大切さを子どもたちにアピールする。

 フレスタの子会社で総菜製造のフレッシュセブン(安佐南区)は二十五日、絵本風の冊子「たべものがたり」を発行する。子グマが製造工場を訪ね、原材料の産地や工程などを学ぶ物語。マメ、ゴマ、ワカメ、野菜、魚、シイタケ、イモの頭文字「まごわやさしい」を合言葉に、バランスの取れた食事も呼び掛ける。

 八ページで一万一千部を発行し、フレスタ店頭などで希望者に無料で配る。山城武之社長は「商品の価格に偏りがちなアピール方法を変えていきたい。読み聞かせにも使ってほしい」と話す。

 ユアーズの従業員はNPO法人「ゆあーず『食』未来研究所」を八日に設立した。食育推進や環境保全活動に取り組む。従業員十四人がメンバーでユアーズも法人会員。今後は社外メンバーも募る。

 二十二日にはメンバー九人が、地元の海田高で初の出前授業をした。家政科三年の二十七人に旬のアジのさばき方などを教えた。

 NPO法人理事長を務めるユアーズ研修室の野本利夫室長は「スーパーで培った経験を生かし、食生活の大切さを伝えたい」と意気込む。(増田咲子)

(2009.5.23)

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