中国新聞


分娩 年170〜180件振り分け
益田赤十字病院が計画発表
8月から 圏域外の6機関へ


   

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 益田赤十字病院(益田市)は31日、益田圏域に住む妊婦の分娩(ぶんべん)について、年間約170〜180件を島根、山口両県の圏域外の医療機関6カ所に振り分ける計画を発表した。

 分娩の受け入れはいずれも8月から対応する。国立病院機構浜田医療センター(浜田市)が約100件▽山口赤十字病院(山口市)が約50件▽萩市の民間医療機関2カ所が計約20〜30件―となっている。済生会江津総合病院(江津市)と公立邑智病院(島根県邑南町)は協力するが、件数は未定とした。

 振り分け先は、益田市と浜田市三隅町に居住する妊婦が浜田医療センターへ。萩市の旧須佐、旧田万川町の妊婦は同市内の2医療機関、島根県津和野、吉賀両町では山口赤十字病院とする方針を示した。

 吉賀町については、国立病院機構岩国医療センター(岩国市)を対象に加える方向で調整する。

 益田赤十字病院によると、8月以降に同病院で出産を予定する妊婦は215人。うち益田市北東部、津和野、吉賀両町、浜田、萩両市に居住する妊婦49人を圏域外の医療機関に紹介する。来年1月以降に出産予定の妊婦は、分娩予約を月20件までに制限する。

 益田赤十字病院は常勤医師2人が3月末で退職し、分娩制限に追い込まれた。河野龍之助院長は、男性医師(59)が6月1日に県外から着任し、常勤医2人となることを明らかにした。しかし、「着任する医師は2年間、産婦人科の現場を離れており、3〜6カ月の研修が必要。島根大医学部からの常時派遣も難しい」(木谷光博副院長)として、分娩制限を計画通り実施する。

 同病院の昨年度の分娩は391件。新たな医師確保で状況が好転しなければ、来年1月以降は年間240件に制限される。(石川昌義)

(2011.6.1)


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