中国新聞


就学援助、最多の2万9236人
広島市昨年度、全小中生の28%


   

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 広島市で2010年度、家庭の経済的困窮で就学援助を受けた小中学生は2万9236人で過去最高だった。前年度より2589人も増えた。全児童生徒に占める割合は28・4%。長引く景気低迷が教育現場に深刻な影を落とす現状が浮かんだ。収入が減った家庭が増加したのに加え、市教委が支給対象を拡大したのも影響した。

 就学援助は、収入が少なく市民税が非課税となる世帯などの子どもに学用品代や修学旅行費を支給する制度。市教委はこれまで対象を市立校や近隣自治体の市町立校に通う子どもに限ってきた。08年秋のリーマン・ショック以降の不況を受け10年度から国立、県立、私立校にも広げた。

 10年度に受給した児童生徒のうち、市町立校に通うのは2万8883人。市町立校の全児童生徒に占める割合は30・2%で、前年度より2・5ポイント増えた。

 一方、国立、県立、私立校では353人が受給。全児童生徒の5・1%となっている。

 就学援助を受ける児童生徒の急増は全国的な傾向となっている。市教委学事課は「今後も受給者数は高止まりか、さらに増えるのではないか」とみている。(田中美千子)

(2011.10.6)


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