中国新聞


授業料未納9年ぶり増
昨年度広島県立高726万円
景気低迷 家計に打撃


photo

 広島県立高校の授業料未納額は昨年度、726万円に上り、前年度比で7・0%増と9年ぶりに増加したことが、県教委のまとめで分かった。親の収入減などに伴う授業料の免除、減額総額も3億9110万円で、過去最大を更新した。景気低迷の影響が、教育現場にも及んでいる状況が浮き彫りになった。

 未納額の内訳は、昨年度分が394万円、07年度以前からの繰り越し分が332万円だった。未納率は0・15%で、前年度よりも0・01ポイント上昇した。

 全日制の授業料は年間11万8800円。県教委は生活保護世帯や保護者の失業、病気などで収入が得られなくなった場合、授業料の全額を免除したり、50%か30%を減額する制度を設けている。

 昨年度、減免を受けた生徒は全在籍者の11・3%に当たる5438人で、前年度から106人(0・1ポイント)減少した。ただ、30%減額の対象者が大きく減る一方、全額免除や50%減額の対象者は増加し、総額では前年度比359万円増と過去最大となった。

 県教委指導2課の平盛吉昭課長は「本年度の減免申請も昨年度を上回るペース。保護者が失業したり、収入が減ったりした家庭が増えている」としている。(永山啓一)

(2009.12.8)

【関連記事】
経済的理由の中退増加 昨年度広島 (2009.5.19)
連帯して「貧困」解消を (2009.2.13)
夢を壊さないで 子どもと貧困<上> 低所得拡大 (2008.12.25)
夢を壊さないで 子どもと貧困<中> 負の連鎖 (2008.12.26)
夢を壊さないで 子どもと貧困<下> 孤立無援 (2008.12.27)
就学援助が5年で28%増 中国地方、昨年度 (2008.12.25)
「就学援助」2万5000人超す 本年度推計 広島市教委 (2008.11.28)
授業料未納1000万円切る 広島県立高7年連続減 (2007.12.26)
授業料未納額、6年続き減 2005年度広島県立高 (2006.11.18)



子育てのページTOPへ