中国新聞


発達障害親子のエッセーを漫画に
安佐南区の兼田さん「理解広めたい」


   

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発達障害と向き合う親子の姿を描いた「マンガ版 親子アスペルガー」

 発達障害がある広島市安佐南区の兼田絢未さん(43)=ペンネーム=が、同じ障害がある小学生の息子2人との日常をつづったエッセーが漫画化された。障害の特徴や自らの体験を踏まえて子育てする姿が分かりやすく描かれている。

 「マンガ版 親子アスペルガー 明るく、楽しく、前向きに。」はA5判、143ページ。3人の障害はアスペルガー症候群。脳の機能障害が原因とされている。言語の発達などに明らかな遅れはないものの、コミュニケーションが苦手で人間関係が築きにくかったり、特定の物事へのこだわりが強かったりする。

 漫画は、私たちの特徴▽不思議ちゃんの世界▽保育園から小学校へ▽発達障害ってなんだろう?―の4章。2011年3月に出版されたエッセーを基に、神奈川県鎌倉市在住で元看護師のイラストレーターが柔らかな筆致で仕上げた。

 障害の特徴の一つに、言葉を文字通りに捉え、ニュアンスを理解しにくいことがある。「好きにしろ」と叱られ、そのまま思うように行動してさらに怒られた―など、兼田さん自身の体験を紹介。「大人になって自分の特徴で困らないように」と、子どもたちに障害について丁寧に伝える姿も描く。

 兼田さんは「幅広い人に障害を理解してもらい、私と同じつまずきを感じている親子に少しでも役立ててもらえれば」と話している。1365円。合同出版=電話03(3294)3506。(田中美千子)

(2012.4.26)


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