中国新聞


いじめ、前年度下回る 昨年度問題行動調査
山口県教委、毎週アンケート


 文部科学省の「問題行動調査」の結果発表に合わせ、山口県教委が11日に公表した調査結果によると、私立を除く県内の小中高校では暴力行為やいじめの認知件数、不登校の人数などはいずれも前年度を下回った。県教委は9月から毎週、県内の全小中学校でいじめや悩み事のアンケートを実施し、事案への早期対応を図る。

 県教委によると、暴力行為は前年度より104件減の584件。生徒間暴力(341件)や対教師暴力(112件)が多い。児童生徒に対する件数の割合は前年度より0・07ポイント下がり、全国平均と同じ0・42%だった。

 いじめは15件減の498件。態様別(複数回答あり)では「冷やかしやからかい」342件▽「軽くぶつかられる、たたかれる」125件▽「仲間はずれ、集団による無視」108件―と続く。ネットでの誹謗(ひぼう)中傷は28件で前年度より6件増えた。

 学年別にみると、中学1年が最多の150件。いじめで刑事事件化したり自殺に至ったりしたケースは無く、認知したいじめのうち96・2%は年度内に解消か好転したという。

 不登校は、小中学生が145人減の1090人、高校生が42人減の136人。学年別では小学6年の51人に対し中学1年は196人と急増し、いじめと同様、中学進学時の環境の変化になじめず人間関係に悩む「中1ギャップ」がうかがえる。高校の中途退学は31人減の152人だった。

 県教委は全国的に深刻化するいじめ問題を受け、9月から県内の全小中学校で児童生徒が週に1度、いじめや悩み事などを記入するアンケートを実施。周南市教委が10年度から実施しているアンケートを参考に企画した。さらに、家庭向けのいじめ対応リーフレットを全家庭に配布するなどして、問題行動の早期発見を図る。(藤田龍治)

(2012.9.12)


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