中国新聞


通学路安全対策、8割121カ所で終了へ
広島市教委、横断歩道など新設


   

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新設された横断歩道を渡る中島小の児童

 広島市教委は6日、小学生が事故に遭う恐れがある通学路の安全対策の実施状況をまとめた。対策が必要と判断した市立小58校の計158カ所のうち、8割近い121カ所は2012年度中に対策を終える予定である一方、37カ所は検討中とした。歩道を拡幅したくてもスペースがないといった制約があるためで、市教委は「時間がかかる可能性がある」としている。

 158カ所の安全対策案は小学校や広島県警、保護者などの合同点検の結果を踏まえて12年11月にまとめた。路側帯やカーブミラー、横断歩道の新設、通学路のルート変更が大半を占める。

 ことし1月末現在の対策の進み具合は、実施済み71カ所(45%)▽本年度中に実施予定50カ所(32%)▽検討中37カ所(23%)―となっている。

 中区の中島小の通学路である同区羽衣町の市道交差点には横断歩道が新設された。久松ひとみ校長は「注意深く走行する車が増えた」と効果を話す。

 一方、検討中の37カ所のうち、7カ所は13、14年度中の実施に対策を講じる予定になっている。残り30カ所についてはめどが立っていない。

 市教委健康教育課は「歩道を設ける場合、土地所有者の承諾を得る必要があるなど、すぐ実現できないケースが多い」と説明。当面、保護者による見守りや子どもへの安全教育を充実させることで対応するという。

 通学路の安全対策をめぐっては、京都府亀岡市などで登校中の児童が巻き込まれる死亡事故が相次いだのを受け、文部科学省が各都道府県と政令指定都市の教育委員会に対策を取るよう求めていた。(山本乃輔)  

(2013.2.7)


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