中国新聞


夏休み中も地域が「先生」
安佐北区の小河内子どもクラブ 宿題や遊び、深まる世代間交流


   

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増田さん(左端)が見守る中、宿題に取り組む小河内小の児童

 広島市安佐北区安佐町の小河内小の「小河内子どもクラブ」が、夏休みなど長期休暇中の児童の居場所づくりに取り組んでいる。同校の児童数は市内最少の7人。「先生」役の地域のお年寄りたちが宿題や遊びを温かく見守り、世代間交流を深めている。

 夏休みや春休みの児童が同校に「登校」。午前9時から1時間ごとに正午まで、自習や読書、オセロ、将棋などの「時間割」があり、先生役が日替わりで世話をする。昼食の弁当を一緒に食べ、教室を掃除して帰宅する。児童全員がほぼ毎日通う。5年東晃大君(10)は「夏休みにもみんなと会え、勉強がはかどる」と喜ぶ。

 先生役は、同校の元校長で同クラブ代表の渡辺稔彦さん(66)=安佐南区=と、元会社員や主婦たち8人。宿題の問題が解けずにいる児童には、「問題をよく読んでみよう」「辞書で調べよう」と優しく声を掛ける。川遊びやそうめん流しなどの「課外活動」も1、2回企画する。

 クラブは小河内地区社会福祉協議会が運営。同校には児童館がないため、児童の居場所をつくろうと2006年8月に発足し、地域のお年寄りたちが先生役として集まった。活動を通じて仲良くなった児童が、校外でもあいさつをしてくれるようになったという。

 同校は、市教委の統合対象校の一つ。同クラブの増田正幸さん(79)=同町小河内=は「児童は、孫のような存在で元気をもらえる。地域全体で温かく見守っていきたい」と力を込める。(中川雅晴)

(2013.8.24)


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