大雨警報で広島県が災害対策本部強化

'99/7/3 朝刊

 広島県内全域に大雨洪水警報が発令された二日夕、県庁内に緊張 感が高まった。南館三階に設置していた災害対策本部(本部長・藤 田雄山知事)を急きょ、スペースの広い本館二階の県民ギャラリー に移動。広島市も午後六時、二十年ぶりに災害対策本部(本部長・ 秋葉忠利市長)を設置した。

 警報が発令された午後五時二十分、県の対策本部は各部局の防災 担当職員を招集して本部を移動。県民、交通対策、学校施設、医療 対策など二十二班の本部要員約百人が勢ぞろいした。

 職員らは八十六市町村と連絡を取り合い、あらためて早めの避難 勧告や住民への広報の徹底を通知。陸上自衛隊と福山、尾道、三 原、三次の各消防本部にも再度、他の市町村から緊急派遣・応援要 請があった場合の即応態勢を要請した。

 また本庁職員の四分の一に当たる約八百人が、交代で徹夜の勤務 態勢。出先機関などからの情報収集や救援態勢の整備などに当たっ た。

 対策本部の設置など対応の遅れが指摘されているだけに、職員ら は緊張の表情。警報発令の前に開いた対策本部会議では、藤田知事 が「今夜から相当な雨量が予想される。迅速な対応と、二次災害の 防止に全力を挙げてほしい」と指示した。

 広島市は大雨洪水警報を受けて午後六時、水防本部を災害対策本 部(本部長・秋葉忠利市長)に切り替えた。

 二十九日の集中豪雨で、大きな被害が出た安佐南、安佐北、佐伯 区を中心に警戒態勢を強化。広島市民、安佐市民病院を含め、職員 や消防署員らを総員約五千人に増員配備して警戒に当たるよう指示 した。

【写真説明】県庁本館に設置した災害対策本部で、職員に指示する藤田知事(右端)=2日午後6時10分


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