豪雨被災者や児童に心のケア対策/広島市

'99/7/8 朝刊

 広島市は豪雨災害で家や肉親を失い、精神的に不安定になりやす い被災者や児童生徒らの心のケア対策に八日から乗り出す。七日、 市側が明らかにした。

 被災者に対する心のケア対策については、今も保健婦が巡回、訪 問指導などを行っているが、今後は必要に応じて市精神保健福祉セ ンター職員が同行。同センター医師による相談実施も考える。

 阪神大震災では、被災から一段落した時点で、ストレスによって 心や体の変調を来たす被災者が目立った。このため、市は早ければ 今月末にも、被害の大きかった安佐南、安佐北、佐伯の三区を中心 に心の健康相談の場を設置。啓発資料も作って配付する。

 幼児や児童、生徒に対しては、八日から五日間、安佐北、佐伯両 区の五小中学校に相談窓口を設け、臨床心理士らが、災害で精神的 に不安定になった子供や保護者の相談に応じる。窓口を設けるの は、佐伯区では河内小、五日市観音西小、三和中の三カ所で、安佐 北区は飯室小と清和中の二カ所。

 市内では七日現在、二次災害の危険がある佐伯区の六百三十三世 帯、二千十一人にまだ避難勧告が出るなど、避難生活が長期化して いる。

【写真説明】豪雨災害から9日目の夜。避難所で弁当を受け取る被災者の疲れの色は濃い(7日夕、広島市佐伯区の河内小学校体育館)


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