不通の五日市筒賀線 8月上旬に交互通行へ

'99/7/13 朝刊

 広島市は十二日、集中豪雨による土砂崩れで全面通行止めになっ ている県道五日市筒賀線が八月上旬には片側交互通行となる見通し を明らかにした。う回路で広島市に通勤・通学している広島県佐伯 郡湯来町の住民からは、ようやく示された復旧計画に安どの声が上 がる一方、不便な生活がなお一カ月続くことへのいらだちが広がっ ている。

 同線は、広島市のベッドタウンとなっている湯来町と広島市佐伯 区を直結する動脈道路。佐伯区五日市町上河内から同町下河内間約 四キロの全面通行止めが続いている。市の説明では今月七日から防 護さく設置などの工事に入り、来月初めから片側交互通行できるよ うになる。

 広島市に通勤・通学する住民は湯来町人口の四分の一にあたる約 二千人。現在は佐伯郡佐伯町から廿日市市を経由し、通常は五日市 まで車で三十分の距離を一時間半近くかけている。

 佐伯区の高校に通う長男を親類宅に下宿させている湯来町白砂の 主婦加藤千鶴さん(42)は「安全を第一に一日も早い復旧をお願いし たい」と切望。西区に出勤する夫を持つ同町杉並台の主婦亀本靖恵 さん(42)は「年寄りも抱え、家族の心労は限界にきている。なぜ、 こんなに時間がかかるのですか」と問い掛ける。

 交通網の寸断は温泉街も直撃している。国民宿舎「湯来ロッジ」 の宿泊客は例年の六割に満たない。田丸昭雄支配人は「先週も五十 人の団体客がキャンセルした。一日も早く、お客さんが安心して訪 れる温泉街にしてもらいたい」と話している。

【写真説明】土砂崩れの防護工事のため全面通行止めが続く五日市筒賀線(広島市佐伯区五日市町上河内)


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