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2003ヒロシマ祈りの日
ヒロシマ胎動
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2003/11/29
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基調講演 詳報 |
広島市長
秋葉忠利氏
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■広島の再生をモデルに
広島の再生、復興が、将来の世界建設に向けたモデルにならなくては、と考える。
一九四五年、アメリカは一発の原爆を広島市に投下し、都市は地獄と化した。その復興では、被爆者はまさに丸裸の状態から自分の生活を確保し再建した。そうした市民の英雄的努力によって広島市はよみがえったが、それを支えたのが近隣の地域や世界各国の人々の支援だった。
例えば医療物資提供に尽力した赤十字国際委員会駐日代表のマルセル・ジュノー博士や、ケロイド除去手術を手助けしたノーマン・カズンズ氏…。こうした人たちの努力は、被爆者に新たな生きる望みを与えただけではない。人類に対する信頼を回復させ、「憎しみと暴力と報復」という循環を断ち切ろうとする人々をまとめあげた。
被爆者の経験を理解することが、二十一世紀を生きる私たちの最も重要な任務の一つだ。それは@生きることを通して人類愛を選んだことA世界に自分たちの経験を語るという意思と行動B報復を拒否し和解の道を追求すること―の三つだ。
被爆者のメッセージこそが、唯一の望みである。そのために被爆者の高齢化が進む中で、世界各地の主要大学でヒロシマ・ナガサキ平和講座を開いている。原爆の悲劇を若者に伝えるとともに、世界各国の市長と連携して核廃絶を訴えていきたい。
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