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2003ヒロシマ祈りの日
ヒロシマ胎動
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2003/11/29
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基調講演 詳報 |
国連アフガニスタン問題担当事務総長特別代表
ラクダール・ブラヒミ氏
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■ゴールは「国家」再構築
紛争後の平和と安定を回復するため、何をしなければならないか。それは「走りながら靴のひもを結ぶようなもの」で、不可能のようだが、やらねばならない。
紛争が長期にわたったアフガニスタンの場合、社会が機能するための制度が失われている。国家制度の再構築が課題だ。どのような危機であっても、メディアの注目はいずれ消えあせ、援助、支援もなくなる。国際的な関与も退く。和平と安定をはぐくみ維持するには、有効かつ頼れる国家制度しかない。
支援者は、援助を受ける国の国民の参加や、指導力がなければ、多大な国際的な支援を送り込んで平和を構築しようとしても無意味である。真のパートナーシップを、国際社会と現地の人たちの間に結ばなくてはならない。実際の責任を現地の人たちの手に委ね、国家統一をはぐくんでいく姿勢が重要と言える。
具体的にどんな手だてが必要なのか。既に現地にある人材や能力を活用することが大切だ。必要な数だけの専門家や支援者を派遣する。そして、その職務に支援者が必要でなくなる状況をできるだけ早くつくるため、現地の人々を育てなければならない。
支援者は謙虚になり、現地の人々の持つ専門技能を認識し、活用しなければならない。現地の国民にも責任がある。彼らも自分たちに与えられたチャンスをとらえ、世界の専門知識を活用しなければならない。
また、能力開発プログラムは、現地に適した持続可能なペース、目標で、策定されなければならない。目標が高過ぎたり、早期に成果を期待すると失敗する。さまざまなプログラムは相互に関連しており、調整して同時期にまとめあげることも重要だ。
支援者は、支援が各省庁間にうまく配分されるように気を配らなくてはならない。これらは私たちが、アフガニスタンの経験で得た教訓である。 |
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