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ドームのある風景 (2006.7.24〜7.29)

 1:あの日 | 2:復興とともに | 3:ラジオ体操 | 4:河岸ステージ | 5:被爆電車 | 6:都心の森

高層ビルが林立する広島の市街地で、今も被爆の痕跡を伝える原爆ドーム(撮影・高橋洋史)

「一望千里」今は遠く

三滝山中腹にある竜王公園(広島市西区)から双眼鏡を使って原爆ドームを探すと、めまいがしそうなほどのコンクリートジャングル。林立するビルの間にようやくドーム屋根が見えた。

 六十一年前、原爆の熱線と爆風は市内を焼け野原に変えた。爆心地から二キロ以内は全焼、全壊。「まさに一望千里。こげ茶色の平面が広がっていた」。入市被爆者の岩原英二郎さん(80)=西区己斐東=は回想した。

 戦後はバラック小屋が並んでいたが、企業のビルなど高層建築物が次第に増えた。被爆の痕跡は復興とともに消え、立体的な町に変ぼうした。最近ではドーム近くに十四階建てマンション建設が進み、景観をめぐる論争にもなっている。

 「街並みが変わるのは時代の流れ。ただ、今の広島が市民の犠牲の上にあることだけは忘れてはいけない」と岩原さん。平和を願う心が継承され続けることを願う。(桜井邦彦)

ドームのある風景

2006ヒロシマ


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