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ドームのある風景 (2006.7.24〜7.29)

 1:あの日 | 2:復興とともに | 3:ラジオ体操 | 4:河岸ステージ | 5:被爆電車 | 6:都心の森

原爆ドームを背景に、両手を大きく広げて空気を吸い込む。平和のありがたさ。生きている証しを実感する(撮影・高橋洋史)

平和な朝を迎える喜び

新しい朝がきた、希望の朝だ…。

 ラジオ体操の軽快なメロディーが朝もやの平和記念公園(広島市中区)に響く。原爆ドームをバックに、ジャージー姿の中高年十数人が気持ちよさそうに思い切り両手を広げる。

 「私は生かされていることに感謝しなければならない」。十七歳の時、南区宇品にあった自宅で被爆したアパート経営山田隆子さん(78)=中区舟入川口町。平和な朝が訪れる喜び、生命の尊さを体いっぱいに表現する。

 妹思いで野球好きだった兄を失った。体操の前には、必ず兄の名簿が納められた原爆死没者慰霊碑などを回る。健康維持のため友人と始めた体操。鎮魂の思いも込めた「朝の儀式」は二十六年間続く。雨の日は原爆資料館の下。ほぼ毎日、公園まで約三十分の距離を歩いて…。

 「きょうも一日のスタートが切れます」。手を合わす。アーチ型の慰霊碑の先には原爆ドーム。(山成耕太)

ドームのある風景

2006ヒロシマ


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