五月末に完成した神石高原町小畠のサロン「歴史と文学の館 志麻利(しまり)」で、近くの農業今川利春さん(83)が広島市での被爆体験を約四十人の児童らに話した。
今川さんは二十一歳の時、陸軍の訓練中に被爆。「赤ちゃんが乳を飲もうと、亡くなった女性の胸にしがみつくなど、悲惨な光景ばかりだった」と振り返った。
講演後、児童は書いた平和のメッセージを、風船に付けて飛ばした。三和小五年中迫麻衣さん(10)は「戦争の種になる国同士の争いごとがなくなるよう願いを込めた」。
同町下豊松の豊松小(六十八人)では、児童全員が登校。五年生の十五人が、六月に平和記念公園などを巡った平和学習の感想などを発表した。(与倉康広)
    
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