中国新聞社
2012ヒロシマ
'12/7/5
政府に脱原発要望 被爆者7団体が8・6式典後

 広島の被爆者7団体は4日、8月6日の平和記念式典後、被爆者の思いを政府に伝えるために開かれる「被爆者代表から要望を聞く会」で、脱原発を求めることを決めた。脱原発はこれまで、各団体が個別の要望項目に入れたケースはあったが、7団体の総意として訴えるのは初めて。

 政府に提出する要望書の前文に「被爆者としては脱原発が至情の叫び」と盛り込む。福島第1原発事故をめぐっては、各団体が脱原発に向けた施策の確立や、事故で被曝(ひばく)した人の健康管理の徹底を求める。

 県被団協の坪井直理事長は「達成すべき時期は各団体で意見が異なるが、放射線被害をなくすために脱原発を、との思いは同じ。強く訴えようと腹を決めた」と話した。広島市役所で4日、聞く会の打ち合わせがあり、各団体の発言順や要望内容を決めた。被爆70年の2015年に核拡散防止条約(NPT)再検討会議の広島開催を目指すことや、原爆投下直後に降った「黒い雨」被害の援護地域拡大なども要望する。聞く会は市の主催。市は野田佳彦首相の出席を求めている。(田中美千子)


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