中国新聞社
2012ヒロシマ
'12/8/12
核廃絶へ「長崎宣言」 軍縮教育フォーラム閉会

 長崎市の原爆資料館で開かれていた「軍縮・不拡散教育グローバル・フォーラム」は11日、核兵器廃絶に向けた次世代のリーダー育成や軍縮・不拡散教育の促進を誓う「長崎宣言」を採択し、2日間の日程を終えた。

 「教育者の見解と経験」をテーマに研究者たち4人が討論した。広島市立大広島平和研究所の水本和実副所長が「原爆投下が他国からどう受け止められているか検証し、国家を超えた共通認識が得られるような教育が必要」と述べた。

 一橋大の秋山信将教授は「国内でも被爆地の広島、長崎以外では学生にとって軍縮は身近なテーマではない。どう関心を持たせるかが課題だ」と指摘。長崎の平和団体などが国連欧州本部に派遣する「高校生平和大使」の活動紹介もあった。

 国内外の非政府組織(NGO)の代表者4人も意見交換。「軍縮・不拡散教育を国として制度化するべきだ」との提案や市民レベルでの理解の重要性を訴える意見が出た。

 宣言は「被爆者の証言は核兵器の人道的惨禍を鮮明に表現しており、国境と世代を超え語り継ぐ必要がある」と強調。未来の指導者となる若い世代の軍縮・不拡散教育への決意を示し、各国、機関への呼び掛け▽戦争被害者の証言を多言語でデジタル化し公開―など九つの促進策を盛り込んだ。(加納亜弥)

【写真説明】軍縮・不拡散教育の在り方を議論した軍縮・不拡散教育グローバル・フォーラム



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