インドなどから原爆写真の送付依頼相次ぐ
'98/8/3
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五月のインド、パキスタンの核実験応酬後、広島市中区の広島平 和文化センターに、インドや周辺の国の市民団体などから「原爆写 真ポスターを送ってほしい」との依頼が相次いでいる。七月末まで の約二カ月間に、要請にこたえて送ったのは七件で、昨年同期の一 件を大きく上回った。
ポスターは縦百三センチ、横七十三センチの二十枚一組。被爆直後の広島 や長崎の町や戦後の平和記念式典などの写真と説明文が付いてい る。原爆の悲惨さを伝えるため、平和文化センターが一九八二(昭 和五十七)年、国内貸し出し用の日本語版と海外へ贈呈用の英語版 を作った。
インドからの依頼は、ムンバイ(旧ボンベイ)やチェンナイ(旧 マドラス)などの大都市の市民団体が目立っている。カルカッタ市 からはパラサンタ・チャテルジェ市長が手紙を寄せた。原爆展や平 和集会での展示が目的で、平和文化センターはビデオ「ヒロシマ・ 母たちの祈り」(九〇年制作)も併せて送った。
このほか、印パと国境を接するバングラデシュやネパールからも 要請があった。送付依頼とは別に、パキスタン・ラホールの労働団 体には、連合広島などの訪問団が持参した。
平和文化センターは「核実験直後は印パとも実験肯定の声ばかり 伝えられたが、冷静に原爆の悲惨さを伝えようという動きが広がっ てきた」とみている。
【写真説明】インドなどからの以来が相次ぎ、原爆写真ポスターの発送をする広島平和文化センターの職員
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