留学先の大学近くにある核軍縮キャンペーン(CND)ヨークシャー事務所。昨年十一月からここでボランティア活動を始めた。第三陣が七月に英国を訪ねた際、米軍の盗聴基地などを案内してくれた反核団体だ。
「平和への思いを行動に移している多くの欧州の人々と出会い、勇気をもらった」と言う。ミッションに参加することで、大学で「平和学」を学ぶだけでは得られない体験ができたとも。CNDの門をたたいた動機でもあった。
しかし、核拡散など世界の核状況とは裏腹に、英国市民の間でも核問題への関心は必ずしも高くない。核保有国での反核運動に直接触れ、あらためて「信念がいる」と思った。一方で、正しくないと思うことに、毅然(きぜん)と立ち向かうメンバーたちの行動力に圧倒される。
市民の反核意識を高めるにはどうすればいいのか―。三年前に一年間、米国でボランティア活動に取り組んだように、近隣の学校を回り、広島・長崎の話をして歩けないだろうか…。野上さんは専従職員のニール・キングスノースさん(28)と相談しながら、受け入れ校を探し始めている。
【写真説明】仲間とともに事務所で働く野上さん(中)(2004年12月8日、野上さん提供)
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