広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)の第五陣一行が、インドに続いて訪ねたパキスタンは、軍部が政権を握る核保有国である。インドと同じく核拡散防止条約(NPT)には加盟せず、一九七〇年のNPT発効後にひそかに核開発を本格化。九八年にインドを追いかけるように実施した地下核実験は、敵対する隣国への挑戦であると同時に、NPTの差別性と矛盾を突きつけた。最近ではパキスタンの「核開発の父」、アブドゥル・カーン博士が「核の闇市場」を構築し、北朝鮮やリビア、イランに核技術を提供していた事実も明るみに出た。メンバーと学んだパキスタンの核の現状と展望を報告する。(文・森田裕美 写真・山本誉)
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