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ALL―IN大賞を受賞した広島大付属東雲小の児童。新聞を配ったり、フォーラムで発表したりと、「カープは家族」と訴えてきた=1月29日、広島市南区のデパート(撮影・安部慶彦)
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「もっと応援したい」
球団の歴史を学び、「カープは家族」と題した新聞を地域に配り続けてきた広島大付属東雲小(広島市南区)の四年一組の児童三十七人が三十日、第一回の「中国新聞・カープALL―IN大賞」に選ばれた。球団と郷土のきずなに気付いた子どもたち。これからも市民球団を見つめ続ける。
児童は春休み中のまっただ中。担任の新谷和幸教諭(31)から、連絡網を通じて受賞が伝えられた。湊絢賀さん(10)は「一生懸命新聞を書いて本当によかった。もっと応援します」。自宅マンション入り口に新聞を張った奥河内雅弥君(10)は「自分たちの力を信じてやってきたのでうれしい。カープも広島ももっと元気になってほしい」と喜んだ。
新球場建設に向けたたる募金をきっかけに、昨年秋、カープの歴史を学び始めた。「広島の人はなぜたる募金をするの?」。疑問を解くため、社会の時間を利用して、さまざまな球団関係者に話を聞いた。
「食うに困る時期に快く募金をしてくれて…」。草創期を知る球団OBは言葉を詰まらせた。「チームの一員になれたのが誇らしい」と、現役の若手選手は胸を張った。そうした言葉から子どもたちは「広島の元気のもとなんだ」との思いをはぐくみ、手づくり新聞「カープは家族」に結びついた。
みんなに思いを届けたいと、今年に入り町内会や公民館を通じて新聞を配り始め、一月末には市民グループ主催のカープフォーラムで発表した。今月五日、広島市民球場(中区)でのオープン戦でも新聞を配った。温かく受け取り、熱心に見入ってくれる観客の姿に、子どもたちの笑みがこぼれた。
四月五日、市民球場での阪神戦試合前に、マーティー・ブラウン監督から表彰される瞬間を、三十七人は心待ちにしている。(下山克彦)
(2006.3.31)
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