日本からの報告 原子力を問う
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52基 世界3位の「大国」

 五十二基が稼働する日本は世界でも米国、フランスに次ぐ世界三位の「原発大国」。フランスは現時点で具体的な建設計画がなく、十年後に六十基を超す予定の日本は世界二位に躍り出る。

 日本原子力産業会議によると、二〇〇三年十二月末現在、世界の原発は計四百三十四基、出力合計三億七千六百二十八万六千キロワット。世界の電力供給の17%を賄っている。

 日本の電力供給に占める原子力の割合は〇三年度推定実績で25・5%。東京電力のトラブル隠し問題の影響で前年度実績(31・2%)より低下し、液化天然ガス(LNG)に次いで二番目の電源となった。

 原発の建設が現行の予定で進めば、一三年度には40・4%と初めて四割を超す。先進国ではフランスが75%と飛び抜けているが、米国の20%、ドイツの30%などを上回っている。


 一方、発電コストは運転年数四十年とした国の試算で一キロワット時当たり五・九円。LNGの六・四円、石炭の六・五円、水力の一三・六円などと比べ最も安い電源とされる。だが、米国の原発では一円台と低く、日本の高コスト構造は課題だ。

 さらに、電気事業連合会は昨年、使用済み燃料の再処理や放射性廃棄物の最終処分など発電後にかかる「バックエンド費用」について十八兆九千百億円と試算した。これを発電コストに上乗せすると六円台になり、必ずしも経済性に優れているわけではないと指摘する声も多い。

 特に、使用済み燃料の再処理で生じる高レベル放射性廃棄物の最終処分は約一万年もかかり、最終的なコスト算定は難しい。「国策民営」の日本の原子力。今後、国と民間がどう費用負担するかなど、経済性をめぐる論議が活発化しそうだ。



世界の原子力発電
(2003年12月31日現在、単位:万キロワット)
国・地域 出力 基数
1 米国 10,242.7 103
2 フランス 6,613.0 59
3 日本 4,574.2 52
4 ロシア 2,255.6 30
5 ドイツ 2,169.3 18
6 韓国 1,571.6 18
7 英国 1,303.3 27
8 カナダ 1,193.2 16
9 ウクライナ 1,183.6 13
10 スウェーデン 982.6 11
11 スペイン 788.0 9
12 中国 629.8 8
13 ベルギー 599.5 7
14 台湾 514.4 6
15 スイス 337.2 5
16 リトアニア 300.0 2
17 ブルガリア 288.0 4
18 インド 277.0 14
19 フィンランド 276.0 4
20 スロバキア 264.0 6
21 ブラジル 200.7 2
22 南アフリカ 189.0 2
23 ハンガリー 186.6 4
24 チェコ 176.0 4
25 メキシコ 136.4 2
26 アルゼンチン 100.5 2
27 スロベニア 70.7 1
28 ルーマニア 70.6 1
29 オランダ 48.1 1
30 パキスタン 46.2 2
31 アルメニア 40.8 1
合計
( )内は前年
37,628.6
(37,372.7)
434
(436)
(日本原子力産業会議)
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