「元気に走れ」夢を乗せ 北海道の「とねっこ」 | '05/5/30 |
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元気いっぱい走りだした子馬に慌てて駆け寄る母馬。深い愛情を感じる(北海道日高菅内三石町)
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残雪が輝く山脈と太平洋に囲まれた北海道日高地方は、七冠馬「シンボリルドルフ」を始め幾多の名馬を輩出、全国の軽種馬生産の八割を占める。今年も一月から六月までに約六千五百頭のサラブレッドが誕生する。
「とねっこ」の愛称で呼ばれる子馬たちには、競走馬として厳しい調教やレースが待ち受ける。離乳で母と別れる秋までが幸せな時間か。早朝、牧場に放たれると、母馬に寄り添い草を食べたり乳を飲んだり。時折、子馬同士でじゃれる姿はほほ笑ましい。
長引く不況や相次ぐ地方競馬の廃止など、生産者を取り巻く環境は厳しい。三石町で小さな牧場を営む櫻木俊雄さん(70)は、駆け回る子馬を見ながら「どんな小さな競馬場でもいい、無事に走ってくれれば」。小さな体にたくさんの思いを乗せて「とねっこ」は育つ。
(写真と文・玉田順一=北海道新聞) =おわり
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