プラズマ窒化法 真空世界 放電の光 | '03/6/18 |
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500度以上にもなる炉の内部。中に入れるガスによって光の色が変わる(長岡電子南部工場)
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直径約十センチの監視窓からドラム缶ほどの炉内をのぞくと、ステンレス製の歯車が闇の中で赤紫色の柔らかな光を放っている。宇宙空間に浮かぶ”未来都市”のようで幻想的だ。
金型や工作機械部品の表面を熱処理し、硬くする「プラズマ窒化炉」の内部。真空の炉内に微量の窒素ガスなどを入れる。炉壁をプラス極、処理物をマイナス極にし約八百ボルトの電圧をかける。プラスに帯電した窒素イオンが処理物の表面に激突、硬い窒化鉄になる。蛍光灯と同じ原理で「グロー放電」が起こり、美しい光に包まれる。
長岡電子(新潟県長岡市南陽)の桑原美博社長(55)は「有害な薬品を使わないので食品関係の部品製造になくてはならない技術。廃棄物が少ないのも魅力」と話す。県内では、同社だけが手がける技だ。
(写真と文・関根浩=新潟日報)
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