中国新聞オンライン
琉髪結い 束ね描く人生模様'03/6/30

熟練した技で、さまざまな髪型を結い分ける小波さん
技 新世紀の匠たち

 洗い髪を手際よくすき、束ねる。元をくくり、後頭部にふんわりとふくらみをもたせ結い上げる。熟練した結髪(けっぱつ)の技は、まるで琉球舞踊の手踊りを見るように美しい。

 「硬い髪も、癖のある髪も心を込めて結えば、髪が応えてくれる」。琉髪結(りゅうはつゆ)いの結髪師小波則夫さん(73)はこの道六十年のキャリアを持つ。

 琉球舞踊は戦後隆盛を極めている。だが、結髪、着付けなど、先人によって積み上げられた知識、技術は継承されないままに失われようとしている。昔を熟知し、男女の年齢や職業を細かく結髪に表現していく小波さんの技は、現在の琉球芸能の舞台を支える重要なものとなっている。

 小波さんは県立芸大の講師として、また、琉舞関係者への講演を通し、技の伝達に心を砕いている。

(写真と文・渡慶次哲三=琉球新報)


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