中国新聞

 「里海 いま・みらい」

2.カブトガニ  2003.9.15

 大潮の上げ潮に乗り、雌雄一体となって砂浜に産卵するカブトガニ。2億年もの間、姿を変えず生の営みを繰り返してきた。成長に合わせて砂浜、干潟、藻場へと移るライフサイクルは、豊かな海があってこそ成り立つ。埋め立てなどの開発により絶滅の危機にある今、保護の機運が高まっている。カブトガニは、人の手が加わりながらも多様な生き物をはぐくむ「里海(さとうみ)」のシンボルでもある。

文・西原太、梨本嘉也 写真・高橋洋史

 

   ・ 滅びないでカブトガニ 埋め立て・汚染で激減

  特集 太古の姿 環境の指標
    ・ 神秘の魅力 …月に導かれ続く営み
    ・ 産卵ルポ  …山口湾で一夜 「泡」に熱く
    ・ 行政    …海岸保全や啓発に力
    ◆図解◆ カブトガニの生活史