中国新聞

 「里海 いま・みらい」

3.資源回復  2003.9.22

 「魚」へんに「春」と書くサワラ、小イワシとも呼ばれるカタクチイワシ。瀬戸内海を代表する魚種だが、1980年代半ば以降、とり過ぎや環境悪化などから漁獲量が減った。水産庁と瀬戸内海沿岸の自治体、漁業者は昨年、一体となって取り組む「資源回復計画」の対象第一号にサワラを選んだ。カタクチイワシもその候補に上がる。資源回復計画は、稚魚育成、放流による栽培漁業や、漁期制限などの資源管理に加え、藻場や干潟の保全、修復など環境回復まで及ぶ。人が手を加えながら、海の幸をどう適切に育てていくのか―。里海づくりの試金石にもなる。

文と写真・西原太、梨本嘉也

 

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