タイトル「ひろしま 都心のあした」
  パート 4  平和記念公園

    ■ べからず集 ■
      市、「聖域」理由に厳しく


写真
毎月6日に反戦歌を歌うグループの100回目の集まり。平和記念公園内でも、これはOK(1月6日)

人文字・音楽会ダメ 法要や商用撮影は申請

 規制でがんじがらめの観がある平和記念公園(広島市中区)。何がよくて、何がダメなのか。管理する市緑化推進部に教えてもらった。

 ■歌舞音曲

少人数で短い合唱…○
ギターの生演奏…△
ブラスバンド、無料コンサート…×

 合唱の人数に明確な基準はないが、大勢だと周りの迷惑になる心配があるので遠慮してもらう。ギターは、練習ぐらいならいいけど、激しくかき鳴らしたら、警備員が止める。ブラスバンド、コンサートは音量が問題。平和記念式典以外は認めていない。

 原爆ドーム対岸の元安川親水護岸は国の管理。八月六日前後のリレーコンサートは恒例行事になっている。

 ■行事

市の主催…○
法要、慰霊祭…△
結婚式やパーティー…×

 平和記念式典とひろしま男子駅伝、ひろしまフラワーフェスティバル(FF)は、主催に市が加わり、「慣例」として利用を認めている。結婚式などの私事で、公共空間を占用することは原則として認めない。法要、慰霊祭については、公園内に供養塔があることなどから、七―九月に限り、申請書を提出してもらえば許可している。

 ■業務・商行為

事件報道の取材、撮影…○
出版、ビデオ販売などの撮影…△
興行、露店営業…×

 一般の人の記念写真や、公園内で起きた事件、事故の取材はOK。写真集や雑誌、ビデオなどにして販売する場合は、市の許可が要る。映画や、テレビ番組も手続きを踏んでもらう。

 ■平和運動

座り込み…○
署名活動…△
集会、人文字…×

 核実験抗議などの座り込みは、大声を出したり、集会のような長時間にわたる占拠ではないので、自由使用の範囲内。ただし、周りの迷惑にならないよう、通路は空けてもらう。署名活動は、趣旨が反核平和であれば自由使用としている。「人文字」はたとえ平和を求める目的でも、一定の人数が必要になるため、集会と同じ扱い。従って認めない。

◆ ◇ ◆

 各行為を禁じる根拠は、「市公園条例」と「平和記念公園の使用許可の取り扱い」。×の項目はすべて、中央公園などほかの公園ではケースによって許可される。平和記念公園で認めないのは、「聖域にふさわしくないから」としている。

 ただ実際は、平和記念公園で平和を祈る集いや楽器演奏をよく見かける。ギターの生演奏についても、市の担当者によって見解は微妙に異なる。公園内で催しを企画する当事者が手続きを知らない場合もあるが、常識の範囲内であれば、市も目くじらを立てていないのが実情だ。

2004.4.27